損害保険大手の「損害保険ジャパン」が去年夏、ビッグモーターに出向していた社員から不正の可能性があるという情報を得ていながら詳細な調査をせず、いったん中止していたビッグモーターとの取り引きを再開していたことがわかりました。会社は、当時の判断に誤りがあったとして詳しい経緯を調べることにしています。
損害保険ジャパンを含めた損保大手3社は、事故にあった保険契約者にビッグモーターの修理工場を紹介する業務を行っていましたが去年夏、保険金の不正請求問題が発覚したことを受けて、紹介する業務を停止しました。
関係者によりますと、損害保険ジャパンはビッグモーターに出向していた社員から、「板金や塗装を担当する工場長の指示で不正が行われている可能性がある」という情報を得ていたということですが、大手3社のうち損害保険ジャパンだけが一時的に契約者の紹介を再開したということです。
再開した理由について会社は、工場長の指示ではなく現場での連携不足による過失だったという報告がビッグモーターからあったからだとしていますが詳細な調査は行っていませんでした。
会社は、当初、出向者は不正を知らなかったと説明していましたが、25日、外部の弁護士による調査委員会を設置すると発表し、保険金の不正請求を認識できなかった経緯を詳しく調べることにしています。
損害保険ジャパンは、2011年以降に合わせて37人を出向させるなど長年、ビッグモーターと親密な関係にありましたが、「当時の判断に誤りがあり反省している」とコメントしています。